名古屋港管理組合議会6月定例会 一般質問(6月10日) 山口きよあき議員

名古屋港への軍艦入港問題について
イタリア村のオープンに伴う課題と対応について

名古屋港への軍艦入港問題について

名古屋港への軍艦入港許可の判断根拠はなにか

【山口議員】
この間相次いだ名古屋港への軍艦入港問題に関連して4点質問します。

4月19日、オーストラリア海軍のフリゲート艦「キャンベラ」が海上自衛隊の護衛艦「はるさめ」に先導されて名古屋港ガーデンふ頭に入港し、26日まで停泊していきました。

5月30日、今度はニュジーランド海軍のフリゲート艦「テ・マナ」と補給艦「エンデバー」が同じく護衛艦「しらゆき」と共に、名古屋港に入港し6月6日までガーデンふ頭に停泊していきました。

いずれも開催されている万博のナショナルデーにあわせた寄港ということでしたが、平和な商業港である名古屋港に、わざわざ軍艦を入港させる理由はありません。私は地元の平和団体のみなさんといっしょに抗議集会を行い、直接、両艦の当直士官に要請書も手渡し、抗議の意思を示してきました。

また日本共産党市会議員団として管理組合に対しても、軍艦の入港を拒否するよう再三、申し入れを行いました。それに対して当局からは「軍艦であろうとなかろうと港湾法上、通常の船舶の使用に支障がない限り入港は認めざるをえない。国からの要請もあり入港を受け入れた」とだけ答えていただきました。

そこであらためてお聞きします。商業港である名古屋港への軍艦入港は拒否すべきだと私は考えますが、軍艦の入港を受け入れる判断は、通常の船舶の入港を許可するときとまったく同じなのでしょうか?軍艦は通常、武器弾薬など危険物を搭載しています。危険物積載船としても特別に留意して入港の可否を判断する必要があると思いますが、今回の入港を許可するに際して誰が、何を検討したのか、入港を許可した判断根拠は何か?まずうかがいます。

通常の船舶の入港と同様に扱う(部長)

【港営部長】
港湾法は、「何人に対しても、施設の利用その他港湾の管理運営に関して不平等な取り扱いをしてはならない」と規定しており、一般船舶の係留に支障がない限り、通常の船舶の入港と同様に扱う。今回の入港では、危険物の有無、一般船舶への支障について検討し、許可した。

名古屋港が関連する万博関連事業及び客船予定はどうか

【山口議員】
どちらの国も、万博のナショナルデーにあわせた入港とのことですが、愛知万博のテーマは「自然の叡智」ということでした。いうまでもなく戦争は最大の環境破壊であり、軍艦はその戦争のための道具です。もっとテーマにふさわしい関連事業があるのではないでしょうか。日本丸などの帆船の寄港は自然の叡智、環境問題を考えるうえで、それなりの意義がある事業だと思いますが、軍艦の入港はこのテーマにはまったくそぐわないのではありませんか。そこで名古屋港が関連する万博関連事業、パートナーシップ事業にはどんなものがあるのか明らかにしていただきたい。

また私は、万博の見学を目的に、名古屋港に客船が寄港してくれるのは歓迎すべきことだと考えますが、万博開催期間中に、そういう目的で寄港する外国からの客船は予定されていないか、あわせてお答えください。

外国客船の寄港予定はない(部長)

【港営部長】
名古屋港が関連する万博関連事業、パートナーシップ事業の主なものは、「ウミガメの太平洋回遊経路解明調査」、「スペイン帆船“ヴィクトリア号”の寄港」、「海の日名古屋みなと祭の開催」、「生命の旅立ち子ガメの放流」だ。なお、現時点における万博目的の外国からの客船の予定はない。

万博関連という海上自衛隊の訓練に協力するな

【山口議員】
万博関連事業としての軍艦の入港はまだ続きます。7月には海上自衛隊のマリンフェスタという催しが伊勢湾で行われるとうかがいました。十数隻の海上自衛隊の艦艇や航空機が参加する洋上展示訓練、伊勢湾で行われるのは98年以来9年ぶりですが、なぜかこの催しも万博のパートナーシップ事業のひとつだと聞きましたが、そうなのですか?そうだとすればどんな意味があるのか、はなはだ疑問です。そしてこの自衛隊の展示訓練のために、またもや名古屋港に今度は6〜7隻の自衛艦が一度に入港する予定だと聞いています。名古屋港を軍事目的で利用するこのような催しには協力すべきではないと考えますが、いかがでしょうか。

入港拒否はできない(部長)

【港営部長】
「海上自衛隊のマリンフェスタ」は、万博のパートナーシップ事業と聞いている。自衛艦の名古屋港の利用は、港湾法の主旨から、艦船であることを理由に入港を拒否することは出来ない。

アジア地域との交流、平和と友好関係維持を第一に

【山口議員】
名古屋港は、日本の貿易を支える大切な港です。また港湾統計や貿易統計をみてもアジア諸国との交易の伸びが目立ちます。中国や韓国をはじめとするアジア各国・地域との交流、平和と友好関係の維持は、この地域の経済活動と名古屋港の発展にとって重要な課題となっています。そのためには、アジア諸国に多大な被害を与えた、先の侵略戦争と植民地支配への真摯な反省と、二度と再び戦争はしない、軍隊を持たないという憲法九条を堅持することが欠かせません。しかし残念ながら国レベルでは互いの不信感を高めるような事態が生まれています。とりわけ小泉首相のかたくなな態度は問題解決を遅らせていると指摘せざるをえません。

こういう時期だからこそ、「名古屋港は軍事利用を許さない、非核・非軍事・平和の港です」とアジア諸国をはじめ各国へ、平和のメッセージを発信すべきではありませんか。この点での港湾管理者の認識をうかがいます。

交流友好は大事だ(部長)

【港営部長】
アジア各国・地域との交流は、名古屋港の発展にとって重要な課題だ。特に発展著しい中国との間においては、日本の国土交通省にあたる中国交通部を窓口として、中国各港湾より研修生を受け入れている。上海港とは、名古屋港利用促進協議会と上海港湾協会とが、両港のより実務的な結びつきを深めるために、友好交流提携を結んでいる。

「交易を通じて世界の平和を!港湾を通じて世界の交易を!」をモットーとする世界的な港湾管理者の団体である国際港湾協会憲章に賛同し、設立当初より加盟し、積極的に活動を行っている。

世界の平和と軍艦の入港とは、相容れない(再質問)

【山口議員】
2点再質問します。軍艦の入港も、一般の船舶とまったく同様のルールで対応しているとの答弁でしたが、危険物の積載という問題も当然ありますが、軍艦の寄港が与える政治的メッセージを考えても、軍艦の入港の可否には通常の船舶とはちがった政策的、政治的な判断が必要ではありませんか。再度、答弁を求めます。

何人に対しても、不平等な取扱をしない(副管理者)

【副管理者】
国際港湾協会のモットーは、高い理想であり、この基本理念をもとに活動することに会員は誇りを持っている。現実には、国際港湾協会の会長をつとめている時に、アメリカ同時多発テロが発生した。国際港湾協会は、これを契機に、改正SOLAS条約の成立と国際港湾の保安対策の確立に積極的に関わってきた。厳しい現実の前には、高い理想を掲げつつも、とりうる有効手段を行使しなければならないのが実情だ。

わが国においては、「何人に対しても、不平等な取扱をしない。」との考え方に基づき、世界を視野に港湾の振興を図ることが大切と認識している。

軍艦の入港の可否の判断は、通常の船舶と違う政策的、政治的判断が必要ではないか

【山口議員】
もうひとつ、「港からこそ平和のメッセージを!」と求めましたが、「交易を通じて世界の平和を!港湾を通じて世界の交易を!」をモットーとした国際港湾協会で積極的に活動しているとの答弁でした。この国際港湾協会は染谷副管理者が会長職を努めてこられた組織です。そこであらためてお聞きします。

万博のパートナーシップ事業を紹介していただきましたが、海上自衛隊のマリンフェスタ、この訓練だけが極めて特異なパートナーシップ事業であることはあまりに明らかではありませんか。

「交易を通じて世界の平和を!」という国際港湾協会のモットーと、商業港である名古屋港への軍艦の入港(ましてや7月のマリンフェスタはまぎれもなく軍事訓練のための入港です)は、両立しないのではありませんか、港湾管理者の認識を再度お聞きします。

一般船舶の利用に支障のない範囲で許可する(部長)

【港営部長】
軍艦の入港は、「不平等な取扱をしない」という法の定めに基づき、港湾管理者としては、一般船舶の利用に支障のない範囲で、許可していく。

イタリア村オープンに伴う諸問題とガーデンふ頭のにぎわいづくりについて

交通渋滞対策について、どの様な対策を講じているか

【山口議員】
次に、この春にオープンしたイタリア村とガーデンふ頭のにぎわいづくりに関していくつかうかがいます。

ガーデンふ頭東側倉庫をPFI手法で再開発し、オープンしたイタリア村は、予想を超えた人手で、連日にぎわっています。この人気ぶりの一方で、いくつかの問題点も浮き彫りになってきました。

第一は渋滞問題です。名古屋港管理組合と名古屋港イタリア村株式会社の連名で市長宛に提出された大規模小売店舗立地法に基づく新設届出書では、一日来店者台数を3160台となっていました。駐車場の実績資料をみると週末でも平均するとほぼ予想範囲の台数です。ところが付近の道路は大渋滞でした。駐車場への誘導、渋滞対策はどうなっていたのか、想定と現実のズレは大きく、はっきり言って想定が甘かったのではありませんか。

交通整理や誘導などは、イタリア村の責任なのか、それとも管理組合、みなと振興財団の責任なのか、管理責任はどうなっているのでしょうか。とくに予想を超える渋滞の発生で、臨時駐車場からのシャトルバスや市営の路線バスまで身動き取れない状況が何日か発生しました。地元への説明と迅速・機敏な対策が十分だったとは思えません。想定とのズレに対し、どのような対策をとってきたのか。お答えください。

誘導員や臨時駐車場で対応(部長)

【建設部担当部長】
オープン当初は予想を超える来訪者で交通混乱が生じ、名古屋市始め所轄警察署の指導や地元の代表者の意見を踏まえて、対策を講じてきた。来訪車両の生活道路への進入を防ぐために、誘導員を増員して江川線を主動線として交通誘導を行うとともに、混雑時には港明臨時駐車場を開設し、同駐車場とガーデンふ頭間のシャトルバス運行がマイカーの乗り入れの抑制となっている。また、ガーデンふ頭全体に対する車両の交通誘導は、港湾管理者で一元的な管理体制をとっている。

一方、名古屋港イタリア村株式会社は、週末等のピーク時には額面千円のクーポン券を発行して来訪者数の急増の抑制に努め、開門時間の前倒しや公共交通機関利用を広告及びホームページで呼びかけるなどの対策を行っている。このクーポン券発行により、週末等の入場者数は3〜4割程度の抑止効果があった。

イタリア村による想定外の支出が増額、イタリア村にも負担金を求めるべき

【山口議員】
3月の予算議会の審議で、イタリア村のオープンに伴い、財団の駐車場収入は約9千万円減少する、かわりにイタリア村からの貸付収入は約8千万円入る、差引き1千万円の収入減だということが明らかになりました。初めてのPFI事業ということがあるのかどうかは知りませんが、赤字に苦しむ管理組合にとっては大判振る舞いです。その一方、イタリア村の収益も予想を超えていると思います。

そこで第二点目としてうかがいます。大店法の届出書にも「当組合では当該施設(イタリア村)の利用者も港明駐車場及び無料シャトルバスを利用できるものとし、ガーデンふ頭全体を一体的な施設として交通量の低減を図る」としています。予想を超える人出、とりわけ車の流入に対して、警備員の増員など取り組んできたと思いますが、管理組合や財団にとってイタリア村のオープンに伴う想定外の支出増はいくらぐらいになったのか。また混雑への対応に要する費用については、イタリア村にも応分の負担を求めるべきと考えますが、いかがでしょうか?

出費増は想定内だ(部長)

【担当部長(関連事業担当)】
イタリア村オープンに伴う動線警備及びシステム変更による支出は、既に予算に計上したもので、想定の範囲内だ。また、イタリア村には、現在でも、警備員の配置など相応の負担を頂いており、今後の交通渋滞の状況を踏まえ、さらに、負担の適正化を進めていく。

イタリア村で水族館、ジェテイ、ポートビルなどへの影響は

【山口議員】
3月議会では、その一方で水族館への団体入場者数が、イタリア村と万博のあおりを受けて昨年比50%減少しているとの答弁がありました。

イタリア村ばかりにぎわっているように見えますが、第三点として、水族館やポートビル・ジェティなどガーデンふ頭の既存施設へは、イタリア村オープンによる波及効果はあったのでしょうか。お聞かせください。

波及効果はなかった(部長)

【担当部長(関連事業担当)】
イタリア村オープン以降の入館者数等では、施設及び次期により大きなバラつきがあり、一概にはいえない。今後の推移を見守る必要があるが、現時点では、波及効果は概して少なかったと考えている。

名古屋港ガーデンふ頭全体のにぎわいに提言する

(1)ガーデンふ頭内の動線改良について

【山口議員】
ガーデンふ頭全体を一体的な施設として把握し、せっかくのイタリア村人気をガーデンふ頭全体のにぎわいに結びつけることが必要だと思います。そのために以下数点、具体的に提案します。

一つは、ガーデンふ頭内の歩行者をはじめとする導線を改良することです。イタリア村とポートビル、水族館をつなぐ導線を整備し、イタリア村の入館者を、ガーデンふ頭緑地内、岸壁沿いの散策コースへ誘導し、ポートビル方面へ歩いてもらう工夫が必要です。ほとんどの入館者が管理組合沿いの車道を通り往復している姿を見るたびに何とかしなければと思います。その際、ガーデンふ頭の真ん中に駐車場が広がっている施設配置も改善できないかもあわせて、ぜひ検討していただきたい。

歩行者導線などを検討する(部長)

【建設部担当部長】
イタリア村の完成で、ガーデンふ頭は概ね整備されたものと認識している。今後はガーデンふ頭内の人の流れを把握し、回遊性の向上を図るための歩行者動線や駐車場のあり方について、本年度から検討している。

(2)水族館入場料への割引制度を

【山口議員】
二つ目は、水族館入場料金の割引制度の工夫です。家族連れにはやっぱり高い料金です。財団管理の共通利用者への割引制度はいまでもありますが、ガーデンふ頭内の施設を一体的にとらえていくならば、イタリア村への入館者を対象にした割引制度の導入(たとえばクーポン券購入者やミュージアム入館者、また一定額以上の買物をした方などを対象に)などをぜひ検討していただきたい。イタリア村へも協力を要請してはどうかと思いますがいかがでしょうか。

クーポン券利用は検討する(部長)

【担当部長(関連事業担当)】
割引制度は、条例の減免制度の枠内で検討していく。イタリア村発行のクーポン券による入館は、実施の細目を検討している。その他も入館者増につながる施策として検討対していく。

(3)駐車場料金補助の検討は

【山口議員】
条例改正が提案されております駐車場料金もこの視点から検討すると、イタリア村では同様の制度がすでにありますが、少なくとも二千円もの入場料をいただく水族館入館者には、駐車場料金補助制度ぐらいつくるべきではありませんか。これが三つ目です。駐車料金問題では、たずねたいことも多々ありますが、委員会での質疑に委ねたいと思います。

他の施設を見て考える(部長)

【担当部長(関連事業担当)】
駐車料金補助は、他公共団体の制度の有無等を調査研究したい。

(4)ワイルドフラワーガーデン「ブルーボネット」駐車場を活用した渋滞問題の解決について

【山口議員】
最後に、車での来場者を抑制し、公共交通の利用を促進するための努力と工夫を強く求めます。とくにもっと船にのってもらう取り組みを推進していただきたい。大店法の届出書にも、自動車来店者の比重を下げるために中部電力が運営するワイルドフラワーガーデン「ブルーボネット」の223台の駐車場とガーデンふ頭まで10分で結ぶ水上バスの活用をうたっていますが、具体的な検討はされたのでしょうか。港らしさの演出にもなり、地域の渋滞問題を解決するためにも、有効な方法の一つと考えますがいかがでしょうか。

活用の協議はできている(部長)

【建設部担当部長】
港湾管理者、イタリア村及び「ブルーボネット」との間で、調整を行い、既に同駐車場の利用について協力を得ている。ガーデンふ頭来訪者の「ブルーポネット」駐車場利用の実績は、週末で1日当たり100台程度の利用がある。

ガーデンふ頭全体のにぎわいづくりを(要望)

【山口議員】
イタリア村のオープンに伴う問題点については、指摘・提案した諸点については、ほぼ共通の認識が持ててきたのかな、と思います。

ガーデンふ頭の東西それぞれの施設をトータルにとらえ、イタリア村のにぎわいを、ガーデンふ頭全体のにぎわいにつなげていけるかどうかが問われています。

残念ながら現時点では、水族館などへの波及効果はほとんどない、その一方、渋滞対策では、予算上は想定の範囲内だったが交通混乱に対応するため誘導員も増員した、との答弁でした。

PFI事業で、民間事業者に施設の維持運営を委ねたわけですが、おいしいところだけ持っていかれておしまい、ということでは困ります。きちんとそれ相応の社会的責任を果たしてもらうように、イタリア村ともしっかり協議をし、ものを言っていただきたいと思います。「さらに負担の適正化を進めていく」との答弁がありましたが、その姿勢を堅持していただきたい。

にぎわいのための提案には、調査・検討・研究との答弁でしたが、ぜひ積極的に取り組んでいただきたい。

とくに「水族館の入館料が高い」という声はかなり耳にします。ぜひこの機会に利用しやすい料金制度への改善を強く要望しておきます。

また水上交通の活用をもっとPRしてください。堀川を活用した水上交通路線の開発なども含め、港らしい交通アクセスを工夫して、ただでさえ自動車公害がまだ深刻な地域なのですから、車に頼らないにぎわいづくりをすすめていただくよう要望しておきます。