反対討論

さとう典生議員

私は日本共産党を代表して、ただいま議題となっております、名古屋市文化小劇場条例の一部改正について反対の立場で討論します。

今回の条例改正は、指定管理者の指定を公募で行うためのものであります。

文化小劇場の場合、選定の基準に、一般的なもののほかに、特別に二つの基準を設けています。「劇場を地域文化の拠点として、地域文化の振興をはかる能力を有していること」「市民が劇場を利用するに際して、文化活動に関する相談および支援を行う能力を有していること」です。

その一方で、営利企業の参入も認めています。しかし、地域文化の振興と企業の営利活動ほどかけ離れたものはありません。

営利企業が公の施設を管理・運営しながら、そのなかで利益を生み出すことが何をもたらすのでしょうか。

文化小劇場の収支比率はほとんどが10%台と低い状況です。利用料金制のもとで企業が収入を上げようとすれば、利用料を上げるか又は集客性の高い、儲かる企画を増やすほかありません。

いずれにせよ、市民が利用しにくくなります。これでは市民参加で地域文化の振興をはかるという目的から後退することになります。

また、企業が利益を上げる他の方法は、経費の削減です。光熱水費の節約は限度があります。世間一般で行われているように、人件費の削減に手をつけざるを得なくなります。

結局、現場で働く職員の給料が引き下がられるなど、労働条件が低下することになります。さらに4年に一度の指定の見直しは、雇用の不安に直結します。

賃金が低く、雇用不安を抱えたなかで、いい仕事ができるのでしょうか。

市民の文化振興をすすめる活動のために経験を蓄積し、働く意欲や舞台技術を高めることができるのでしょうか。大変難しいと思います。

このように、公募によって、営利を追求する民間企業の参入を認めることは、市民サービスの低下につながるおそれが大であります。

その一方で名城公園の名城庭球場は国有地を無償で借りているために「営利目的で運営してはならない」との国の意向を受けて非公募としています。本市も同様に、公の施設を営利事業には使ってはいけないと思います。

文化小劇場こそ非公募にするべきであると指摘して、討論を終わります。