個人質問(3月2日) かとう典子議員

緑区東部に図書館や青少年の居場所づくりを

《緑区東部の市民利用施設の整備について》


議場で質問するかとう典子議員

東部支所設置で図書館の建設を

【かとう議員】
現在、緑区東部地域は住宅が次々建てられ、若い家族が住む活気あるまちになっています。徳重周辺地域には、緑区役所東部支所及び地区会館の建設計画が進んでいます。そこの住民の皆さんが「住みよいまち」にしたいという願いを実現しようと活動されています。「住みよいまち」とは人と人とが触れ合うことのできるまちのこと、ふれあいと文化を育むまちづくりをしたいと、積極的に取り組みを進めています。区政の役員さんをはじめ、地域で、合唱や絵画、空手、子育て教室などそれぞれ活動している人たちは、集う場所の少ないこの地域にできる地区会館には大変大きな期待を寄せています。また、併せて、支所及び地区会館の近くに公的施設を集めるよう要望も出されています。

このような中、私が昨年秋に行なったアンケートで、東部に図書館を建設してほしいとの要望が多数寄せられていますので、まず図書館について、質問いたします。

1979年、日本図書館協会は、「すべての国民は,いつでもその必要とする資料を入手し利用する権利を有する」こと,そして「この権利を社会的に保障することに責任を負う機関」が図書館であることを表明しました。すべての国民は,図書館利用に公平な権利をもっており,人種,信条,性別,年齢やそのおかれている条件等によっていかなる差別もあってはならない」とも述べています。

現在の緑図書館は、1972年に建設され、老朽化も激しく、また、人口に比して、図書館は狭く、蔵書数も少なく、またバリアフリー化もされていません。緑図書館を、日本図書館協会の「公立図書館の設置及び運営に関する数値基準」に当てはめてみると、延床面積では、基準の3分の1以下、蔵書数では基準の7分の1しかありません。なんと貧しい図書館行政か、改めて認識するところです。

そのうえ、昨年から実施された「駐車場の有料化」は、市民が等しく図書館を利用する権利を奪うものになってしまいました。利用しにくくなった緑区民が、駐車場が無料である、となりの市の市立図書館まで行っているのです。誰でも利用できる図書館ではなくなっています。21万人を越える区民の、利用しやすい図書館が必要です。

まず、支所管内に、図書館を建設すると聞いていますが、建設するなら、今後ますます便利になる徳重地区に、支所及び地区会館に隣接して建設することを求めたいと思いますが、いかがお考えかお聞きします。

また、緑区東部支所管内の人口は 10万人を超える勢いです。中区、東区、熱田区などの人口と比べても、また、他の支所管内の人口と比べても、それをはるかに越えたこの緑区東部地区に、人口に見合った規模の図書館をつくるべきと考えます。

まさか、他の区の支所管内と同じ、延床面積800平方メートルの計画ではないと思いますが、教育長の答弁を求めます。

【教育長】
これまで、「名古屋市新基本計画」、「名古屋新世紀計画2010」に基づき、図書館の整備・改築を進めてきた。支所管内図書館は、平成9年度に富田図書館、楠図書館を開館、順次整備を進め、今年度は志段味図書館を開館した。さらに来年度、山田支所管内に開館を予定しており、すべての支所管内に図書館が整備される。

緑区東部は、区役所支所の設置が予定されているので、支所管内図書館の建設も、今後努力していく。

《青少年の居場所づくりについて》

気軽に集える場の設置を

【かとう議員】
この東部は、5年前、中学校での5千万円恐喝事件のおきた地域です。もう二度とこのような事件を起こしたくない、起こさせたくないと中学生を持った親のみならず、地元の役員の方を始め多くの方たちの努力で、新しい中学校が建設され、マンモス校であった中学校を解消させました。地元の人たちも、子どもたちに心を寄せています。

今年度、次世代育成事業の行動計画策定に当たって、中高生の健全育成があげられていますが、中高生、青少年といえば犯罪の防止というように、犯罪に結びつけた見方があっても、思春期の子どもたちが集える施策は 具体的には見られません。今、中高生がふと立ち寄れる場はコンビニぐらいしかありません。

私は、青少年の健全なコミュニティーの場が必要だと思うのです。たとえば、東京杉並区の児童少年センター“ゆう杉並”は、地下には体育館があり、球技などの用具がおいてあります。1階には飲食やおしゃべり、ゲームができる交流の場、2階にはバンド練習ができるスタジオ、TVゲームや映画鑑賞ができる部屋のほかに、図書室や勉強のできる学習コーナーもあります。ゆうホールは客席144席あり、ライブや、ダンス、演劇などの発表もできます。舞台の裏には壁を登るフリークライミングができる施設もあります。

緑区東部の地元のあるお母さんが「ゆう杉並」について19歳の息子に話をしたら、息子が「そういう施設があったら、自分も行きたい」と言ったそうです。身近なところに青少年が興味関心を持つものがそろった設備があり、ふと立ち寄れて、仲間と集う場があったら、と思うのは当然のことと思います。

そこで教育長にお尋ねします。

身近に、気軽に立ち寄れて、おしゃべりしたり、勉強したり、読書や踊り、演奏、スポーツなど自由にできる、健全な地域ごとの青少年の居場所について必要性をどのように認識していますか。

そして緑区東部に地域に根ざした児童・青少年の居場所になる施設を特に求めている 地域の住民の声を どのように考えておられるか、教育長の答弁を求め、第1回目の質問を終わります。

【教育長】
青少年の健全育成は、常日頃から大人が青少年と触れ合い、声をかけるなど、温かく見守ることが何よりも重要である。そのため、「地域の世話やき活動」など、地域における健全育成活動がより活発になるよう、引き続き支援に努めたい。

青少年の居場所づくりのための施設が必要ではないかというが、現在ある生涯学習センター、スポーツセンター等の施設を、文化・スポーツ活動等に有効に利用していただきたい。

一刻も早い図書館建設を

【かとう議員】
まず、第1に、図書館は、いつかは作るということですが、大変利用者の多い緑区です。人口に見合った規模の図書館を、ぜひ、早急に作っていただきたいと思います。

全く理解していない教育長答弁だ

【かとう議員】
第2に、青少年の居場所についてですが、私の質問を、教育長は、全く理解されていないようです。

ただいまの答弁では、青少年の健全育成については、大人が触れ合うとか、声をかけるとか、言われましたが、思春期の子どもたちが、集まることには、目を向けておられないようですね。むしろ避けようとしているように思えます。思春期の青少年の、成長段階を充分理解した対応が、求められていると思います。

生涯学習センターや、スポーツセンター等の施設は、市民のためには有効ですが、青少年が集う場所は、既存施設では、不十分です。

青少年の居場所には、身近に立ち寄れる、青少年専用のフリースペースやスポーツ施設、勉強やおしゃべりができる場が必要です。思春期の青少年に、光を当てる新しい取組みとして青少年の居場所づくりを、引き続き求めていくことといたしまして、質問を終わります。